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親から子へ、150年続く伝統「大倉太々神楽」

みなさん、福島県田村市に、県内でも注目される伝統芸能が存在していることをご存知ですか?
それは、船引町の瀬川地区大倉に伝わる「大倉太々神楽」
田村市の無形民俗文化財にして、150年余りの歴史ある神楽です。

大倉神社

大倉太々神楽の一幕

 

神楽とは、五穀豊穣への祈りや人々の幸せを願い神様に奉納される歌や舞の総称です。日本神話の中で、太陽の神「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」がイタズラばかりする弟に怒り、天岩戸(あまのいわと)と呼ばれる洞窟に隠れてしまいました。太陽がなくなった世の中は暗く、不幸ばかりが起こります。そこで天照大御神を洞窟から連れ出そうと、別の神様が踊った舞が神楽になったと言われています。

 

大倉太々神楽の注目すべきところは、36座もの演目を伝承当時のまま今に残していること。これは周辺地域の太々神楽をみても非常にめずらしいことだそうです。その伝統を守ってきたのが、地元「大倉神楽保存会」のみなさんです。会長の遠藤慶典さんにお話しを伺いました。

大倉代々神楽保存会と地域の皆さま

 

Q. 大倉太々神楽はどのように伝わったのですか?
A. 明治の頃、郡山地域にあった出雲流の神楽が、大倉神社の神職であった国分大隅(こくぶんおおすみ)氏によって大倉に伝えられました。当初、神楽は神職のみが行う神事でしたが、大正時代に入り、町の人々にも広まり今の形となりました。その後、国分大隅氏が伝えた国分大隅流(田村流)太々神楽は、福島県中通りを中心に、各地へ広がっていきました。

 

Q. これまでどのように大倉太々神楽を守ってきたのですか?
A. 大倉太々神楽が民衆に広まってからは、「神楽会」というところがずっと大倉太々神楽を守っていました。そもそもこの神楽は「持ち芸」と呼ばれ、1人1役のみを担当していました。自分の家に伝わる舞として、父親から息子(跡取り)に引き継いでいたんです。しかし時代が移り、そうした伝統を守っていくのが難しくなったのかもしれません。昭和37年に、一度この「神楽会」はなくなってしまいました。

しかし、「失くしたくない」「失くしてはいけない」そうした声を受け、昭和49年に「大倉神楽保存会」として復活しました。その際、女人禁制等の制限は撤廃し、より多くの人が参加できるようにしました。27年程前からは、大倉の子ども達にも教え始めました。今では大倉の小中学生は全員大倉太々神楽の育成会に入っており、全員が神楽に関わります。大倉太々神楽は昭和12年生まれ(保存会最高齢)から小学生まで、大倉の幅広い年齢層の人たちが現役で舞うことができる舞なんです。

子どもへ、孫へ、引き継がれる神楽

 

Q. 今後、大倉太々神楽をどうしていきたいですか?
A. 一番は、大倉太々神楽を後世に繋いでいきたいです。大倉の子ども達は、進学や就職によって町を出ていく子が多い。町の人口自体が減っていく中で、後継者を育て、次の世代に大倉太々神楽を託す、それが私達現役世代の役割です。今後は、もちろん各地域に色んな伝統芸能はあると思いますが、もし希望する人がいるのであれば、大倉の子ども以外にこの神楽を伝えていくことも、必要なのかもしれません。

「神楽楽しい!」と笑顔を見せる子ども達

 

時代に合わせ継承方法が変わっても、大倉の町の誰もが守りたい思い「大倉太々神楽を後世へ残す」それだけは決して譲れない。そんな熱い思いが伝わってきました。

 

昨年11月3日には大倉神社の秋祭りにて、年に一度の大倉太々神楽の奉納が行われました。それまでの練習風景や、当日の様子を見せていただいて思ったこと、それは遠藤さん初め大倉神楽保存会のみなさんの思いは、しっかり大倉の子ども達に届いてるんだなぁ、ということでした。

地域の小学生による神楽奉納

 

当日は地元の小、中、高、大学生も参加

 

今回唯一の大学生で神楽を舞った女性は、「大倉太々神楽は小学生の頃からやっています。周りもみんなやっていたので、小さい頃からやるもんだと思ってました。練習は大変だったけど、舞えるようになったらうれしいし、舞台に立てるともっとうれしい。これから就職したら中々大倉に戻ってこられなくなるのかもしれないけど、やっぱりいつかは大倉に戻ってきて、大倉太々神楽をやりたい。後継者不足は、若い世代でなんとかしたいです。」と、頼もしく話してくれました。

保存会と練習をする大学生

11月3日 大学生による鈿女(うずめ)の舞

県内外から注目される歴史ある大倉太々神楽。次世代の活躍も期待しています!

大倉太々神楽に興味のある方は、まずは応援隊までご連絡ください。

 

以下は、2018年11月3日に行われた秋祭り(大倉太々神楽奉納)の様子です。

     

 

 

執筆担当は、保存会の「ゆずれない思い」に胸が熱くなった やましろ でした。


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