福島県の復興の現状は・・・?
「県外に避難した人の中には、当時のまま時間が止まっている人もいる」
そう話してくれたのは、福島県復興支援員として東日本大震災、並びに福島第一原子力発電所の事故による県外避難者のサポートを行っているスタッフ。
普段なかなか聞くことのできない県外避難者の話に、改めて、まだ復興途中である福島県の現状が見えました。
先日、ふくしま連携復興センターの主催で、復興支援員のための研修「復興支援員バスツアー」が開催されました。被災した市町村を周り、参加した約17名の復興支援員同士での情報共有、意見交換も行われました。
町を案内されてまず思ったことは、課題はどこの町も山積みだけれど、どの町も前を向いて復興に向けて歩みを進めているということでした。
・楢葉町のコンパクトシティーの整備
・相馬市の復興視察ツアーの開催や放射線教育の徹底
・「人が住める場所、ではなく働ける場所を作ろう」としている双葉町
などはその例です。
帰りたい町民のため、帰りたいけど帰っていいのかわからない町民のため、そして帰らないことを決めた町民のため、各市町村は現状に合わせたサポートを行っていました。
福島の底力を見た瞬間でした。
しかし、もちろん福島県の現状はそれだけではありません。
避難指示も自主避難も含め、県外に避難した方々のそばにも復興支援員は存在します。特に関東には今も多くの避難者がいるため、復興支援員も群馬や茨城、千葉や神奈川など、各県で活動しています。
その方たちから話を聞きました。
「避難者の多くは震災当時で時間が止まっている」
「今でも福島県出身だと隠して生活している人もいる」
「本音はほとんどの人が自分の町に帰りたい。でも家族の都合や自分の病気など、色んな事情で故郷に帰れない人がたくさんいる。そういう人は新しく住む場所が決まっても、一生ストレスと付き合わなければいけない」
そこにはもう一つの福島県の現実がありました。
福島県の復興の状況は、今では一概に言えるものではなくなりました。市町村により復興の進捗状況は全く違います。同じ町民でも、県内にいる人と、県外に避難している人とでは生活や環境は全然違います。必要なのは、各々の状況に応じた支援だと、改めて思いました。
「帰る」「近くに住む」「帰らない」どんな選択をした人であっても、その選択が尊重され、安心して生活を送れることが、私たち福島県内外で活動する復興支援員の大切な仕事だなと思います。そのためには、県外避難者を支援している復興支援員や、他の町の支援員とも情報共有や協力体制を普段から意識して準備しておく必要がありそうです。
たった2日間でしたが、とても勉強になりました。
お世話になった関係者のみなさま、ありがとうございました。
ブログ担当は やましろ でした。