新企画!!大人の工場見学~船引町(株)フクイシ~
田村の人の魅力を紹介する「田村を創る人たち」の企業版!「大人の工場見学」がスタートしました!
この企画は、田村市内に存在する様々な企業を取り上げ、いったいどんな仕事をしているのか、どんな分野で活躍しているのか、その企業の凄さを皆さんに知っていただこうと思いスタートしました!
記念すべき第1回目の紹介は、船引町にある「株式会社 フクイシ」さんです。
昭和56年創業。業界内でも珍しい、石の採掘から加工、彫刻、デザイン、販売、配送、工事までをすべて自社で行うことができる、「総合石材業」を営んでいます。
「ファントーニ」と呼ばれる先進的な技術を取り入れた、墓石や記念碑をはじめとしたメモリアル事業と、建築石張り工事や土木外構工事等を行う環境石材事業、特徴的な色彩と優れた石質の「深山ふぶき」等の採掘を行う採石事業を主な事業内容としています。
今回は特別に採掘現場から、工場内までを案内していただきました(^0^)/
それでは【工場見学】スタートです!
船引町にある深山(みやま)ふぶき採石場を案内していただきました。
採石した場所が崩れないように、石を積んだ姿はまるで城壁のよう\(◎o◎)/!
坂道を更に上がって見下ろすと、幻想的な世界。
天空の城竹田城跡のようです。
昭和56年から採石場として使ってる場所。
掘った跡は、大きな池のようになっています。切り立った石垣とこの景色がまるで映画のロケ地に使われそうです。\(◎o◎)/!
大きな32tトラックがありました。
取材コンビ、小さいっ!!
こちらも採石場。直角に切断された石と深山ふぶきのグレーの色彩で圧倒されるばかりです。
まるで、テルマエ・ロマエの温泉シーンにも出てきそうですよ♨
さらにちょっと登ったところから、(株)フクイシさんが見えました。
では、工場へ行ってみましょう。
トラックで運ばれた大きな石が並んでいます。
「深山(みやま)ふぶき」は、福石さんの銘品です。
国内や外材でも類をみない深いグレーの色彩と、ムラや傷のない均一性に優れた石質を持っています。運ばれてきたときは白っぽいですが、磨くとグレーになります。
こちらは、第一回目の切削です。
なんと、120インチある切断機が回転しています。
切る部分だけで3尺3寸(100cm)から3尺5寸(106cm)。
外のチップはダイヤモンドが使われていて、チップは2回使用すると基盤交換。
チップ代だけで、お値段はなんと120万円。
大きなブロックの石が、あっさりと切られていきます。
こちらは、第2回目の切削機械。
更に小さく、商品化しやすいようにしていきます。
取材コンビがお気に入りになった「ロボワン」
切削した石を磨いています。
どのくらい削るかのデータをコンピューターに入れると、黙々と作業をして仕上げていきます。
なんてお利口さんなんでしょう( *´艸`)
こちらは、人工ダイヤモンドを使ったカッターを使用して、石のサイズを数ミリ単位で切削しています。
この技術は、熟練の技が必要です。
見ている方が、緊張しますね(;’∀’)
こちらは、機械だけではできない細かい作業を、専門の道具を使って手作業で進めていきます。
ファントーニの特殊技術を、職人さん達が丁寧に行い、仕上げた作品がこちらです。
※工程は撮影NG
故人の家族たちの想いを込めた様々な作品ができます。
ギターや、お花も・・・。
彫刻の仕方で色の濃淡がついたり、凹凸を出す細やかなデザインができるこの技術は、東日本ではここだけ。
沢山の過程を経て、いよいよ荷造り準備です。
大切なお客様のもとへ出発です。行ってらっしゃい。
以上、工場見学でした!
続きまして、佐藤利男社長への独占インタビューパートのスタートです!
「当たるまで努力して、
当たると信じてやっていくしかないと考えています。」
代表取締役社長 佐藤利男
Q.社長にとって、製造業・工場経営のやりがいはありますか?
A.この商売を続けるうえで、安心してはいられません。世界中を相手に競争していかなければならないので、10年単位で億単位の投資を行っています。昔の技術や、自社の製品におぼれ、衰退してしまう企業を何社も見聞きしてきました。石材業界も同じで、ずっと昔と変わらないことをやり続けていても進歩はしません。時代の流れを先読みし、半歩でも進めるよう、「ファントーニ」のような新しい技術も取り入れています。新しい試みが当たるか当たらないかはわかりませんが、当たるまで努力して、当たると信じてやっていくしかないと考えています。
また、私がまだ10代だった頃、花の園芸栽培をしていました。市場に花を持ち込んだのですが、花がしおれてしまい商品として販売できなくなりました。それを見た市場の社長が、かわいそうに思ったのかすべて買い取ると申し出てくれました。その時、その社長が私に話してくれたのが「作ることだけでなく、売ることも考えろ」ということでした。常にこの言葉が商売の基本になっています。
Q.「ファントーニ」の技術を取り入れようと思ったきっかけはありますか?
A.外国産の石材の輸入が増え、「将来日本の石屋はなくなってしまうのではないだろうか」という危機感が発端でした。全国の業界青年部とも話をし、同じように危機感はもっていたのですが、打開策は見つけられていませんでした。打開策のヒントを求めてイタリアや中国、韓国、アメリカの業界を巡り、アメリカで「ファントーニ」という墓石の概念に出会いました。お墓に込める思いは家族によって異なります。「ファントーニ」の技術を用いれば、その思いを彫刻で自由に表現でき、家族だけの特別なお墓となります。
Q.「ファントーニ」の技術を取り入れている企業は、国内で何社ほどあるのでしょうか?
A.東日本では弊社、西日本では大阪石材工業株式会社さんの2社のみになります。その中でも、レベルの高い立体彫刻が行えるのは、日本では弊社しかありません。
Q.フクイシさんとしては、「ファントーニ」の技術を用いた立体彫刻を売りとしているのでしょうか?
A.もちろん一般的なお墓の受注もしていますが、特に「ファントーニ」のお墓をおすすめしています。家族や故人の生前の想いを汲み、一つ一つ職人によるハンドメイドで作られており、非常に手間暇をかけています。また、価格に関しても5万円10万円と、手の届きやすいものから、お客様のご予算に合わせてお作りすることができます。
Q.ファントーニの作品例の中で、社長が一押しするものはありますか?
A.すべて一押しです。確かにお金をたくさんかけたものは豪華に見えます。ですが、ファントーニというのは、故人とその家族のためにたくさんの想いが込められています。たとえ彫刻がワンポイントだけであっても、その家族だけのオンリーワンのお墓です。なので、すべて一押しです。
Q.働いている方々は若い方が多いように見えますが、理由はありますか?
A.積極的に新卒採用を行っているので、若い従業員が多いです。熟練の職人から、若い世代への技術の継承を図ることで、更なる発展を目指しています。
Q.震災の影響はどのようなものがありましたか?
A.震災後は、放射能汚染の不安から、特に西日本からの注文が減ってしまいました。製品の検査・放射線量の測定を実施し、お客様に説明を行ったことで、関東地域からの注文数は回復してきています。
Q.フクイシさんの製品で、普段我々が目にしているものはありますか?
A.船引駅前のモニュメントや、田村市役所ロータリー内のモニュメントがあります。また、三春駅前や三春町役場、田村市運動公園の石工事。郡山消防署前や合同庁舎前の石工事等、建築関係の工事も多く手掛けています。
普段何気なく生活していると、なかなか気づきにくいものですが、今回の取材を通してフクイシさんの手掛けたものが身近にあるということに気づけました。
「ファントーニ」の技術を用いた立体彫刻をはじめ、世界に誇れる技術と心意気がフクイシさんにはあります。
私たちが感じた「凄い!」という想いを、ブログでは伝えきれていないかもしれません!(じゃあ何のための取材だ…苦笑)
お忙しい中対応していただきました、佐藤社長をはじめ、従業員の皆さん、本当にありがとうございました!
☆告知☆
今回取材させていただいた、(株)フクイシさんが、TV東京の「和風総本家」という番組に出演されます!
放送日:2月19日(日) 14:00~ テレビュー福島 「和風総本家」
皆さん是非ご覧ください(^0^)/♪
【会社概要】
会社名 :株式会社フクイシ
代表取締役:佐藤 利男
本社 :〒963-4204
福島県田村市船引町堀越字堰下195
資本金 :2,000万円
社員 :35名
事業内容 :総合石材業
営業品目 :メモリアル事業
→ファントーニ墓石、記念碑、墓碑移転・リフォーム、霊園設計施工・基地紹介
環境石材事業
→建築石張工事、土木外構工事、造園工事、各種石積み工事
採石事業部
→深山ふぶき採掘元、あだたら御影石採掘元、外国石材
創業 :昭和56年1月。
会社ホームページ http://www.fukuishi.jp
【取材チーム】
光本、渡邉、佐藤