大人の工場見学第3弾~ジャパンビューティプロダクツ~
田村市にこんな企業があったなんて知らなかった。
あの商品は田村市の企業が作っていたなんて意外!!
世界に誇れる技術が田村市にあったなんてビックリ!!
この企画は、田村市に存在する様々な企業を取材し、どんな仕事をしているのか、どんな分野で活躍しているかを紹介し、その企業のこだわりや凄さを皆さんに知ってもらうコーナーです。
今回ご紹介するのは、田村市滝根町に工場を構える「株式会社ジャパンビューティプロダクツ 福島工場」さん。
県内でも数少ない化粧品製造工場です。
化粧品Σ(・ω・ノ)ノ!と聞いて、女子なら興味津々のはず!!
化粧品ってどんなふうに作られるんだろ?日本の化粧品って海外から人気があるけどどうしてなんだろう?
いつもは購入する側の私たちですが、今回は内部に潜入(`・ω・´)ゞ
ここは、応援隊女子コンビ(えりぃ・山ちゃん)の出番です!!♪
では、突撃レポート開始。
-工場見学へ、レッツらGO!!
ホコリ、髪の毛一本も完全シャットアウトで登場した、えりぃ・山ちゃんコンビ。
先ずは、エアシャワーの洗礼です。
「うわぁぁぁぁぁぁ。これから手術室に入るみたい。ドキドキ!(^^)!」とテンション上がる2人。
次はコロコロロールでゴミ取り→手洗い→手の消毒。
完璧なホコリ・菌除去行程を行いました(`・ω・´)ゞ
中に入ると見たことのない容器や記号が色々とありました。科学室みたい。
各部屋は、特別なフィルターを使いホコリや菌を取り除いて、とても清潔な状態に管理されています。
工場の細心の注意がうかがえますね。
【秤量室】
時には100種類を超える原料を計量して、間違わないようにバーコードで確認しながら化粧品の原料を配合していきます。
山「ここで、ちょっとでも間違えたらどうなっちゃうんですか」
工場長「何度も確認するので、間違えることはまずありません。万が一間違えてしまったり、ゴミが入ってしまったら、全品回収対象です。会社の信用問題や大きな損害になるので、何度も確認します。小さなルールを守る事で、大きな間違いをしなくなるんですよ(#^.^#)」
【精製水製造室】
化粧品の原料となる水を無菌にします。
水道水→真水→UV殺菌→無菌の行程。
更に週に一回は精製水の品質を点検してます。
【調合室】
まるで、給食室のよう。室内は、グレープフルーツのような良い香り・・・✨
ここではまつ毛美容液や、ハンドクリームなど、乳液系化粧品を作ってました。
こちらの大きな二つの釜は「乳化釜」
先ほど作った精製水と、秤量室で調合された化粧品の原料を混ぜて、高速回転でかくはん作業をします。
この日はちょうど、ゆずの香りのハンドクリームを作ってました。
名前は「ホモミキサー」
1つの釜でまつ毛美容液なら2.5トン、ハンドクリームなら3000個分作れます。
えりぃ「こんな大量のハンドクリーム見たことがないっ!!お風呂のように入ったら、カサカサな冬も怖くないですね\(^o^)/
工場長「日替わりで様々な製品を作っているのですが、その都度釜を洗浄してます。マスカラやUVクリームを落とすのが大変です」
油分が強いものは、その分、掃除も大変なんですねー。
【バルク保管室】
出来上がった化粧品が壺のような容器に入れてあり、それぞれに商品記号を書き保管中。
こんなに大量のマスカラとか、ハンドクリームを見たことがありません( ゚Д゚)
ひと壺お持ち帰りさせてもらったら、何年で消費できるのかしら・・・・。
【仕上げ室】
化粧品を入れる小さな容器に、中身を注入。
注入されたものは手作業で一つ一つ、丁寧に容器詰めしていきます。
皆さんの集中力、素晴らしいです。
こちらの工場は、少量多品種生産だから手作業がメインで行われます。←ここが強みなんですよ( ´∀`)bグッ!
多いときは、1日6品種生産します。
この後は、マスカラの容器の蓋を閉めた後、容器にレーザーでロットを入れる作業でした。
私たちおおざっぱコンビには、難しい緻密な作業です(;^_^A
スタッフさんへ尊敬の眼差しでした。
次は最終章。
ダブルシャッターの作りをした倉庫へ。こちらも、エアーシャワーでしっかりホコリを除去。
【製品倉庫】
化粧品の菌の微生物検査→充填包装を行う→商品の微生物検査→間違いなく包装できているかの検査の行程を行われた商品が、ここで出荷待ちをしています。
よく見ると、箱も梱包の仕方もそれぞれに違います。シールやテープの貼り方など様々です。
工場長「お客様によってニーズが違うんです。それぞれのお客様に細かく対応できるのが、私たちの強みです」
化粧品を作る行程・スタッフさんの細心の注意・働き方を目の当たりにし、感動した後は、工場長へのインタビューです。
『「丁寧なものづくり」にこだわる会社。それを可能にしているのは、地元の女性たち』
~福島工場長 兼 品質管理部長 稲田敏明さん~
Q. ジャパンビューティプロダクツ 福島工場の特徴は何ですか?
A. 女性に支えられている会社だということです。震災後を支えてくれたのは地元のパートさんであり、仕事の丁寧さや真面目さをみても女性がとても頼りになります。従業員の半分以上は10年以上の経験があるベテラン職員で、本当にここの工場は地元の女性に支えられています。
Q. 工場の強みは何ですか?
A. 化粧品GMP(化粧品を安全に製造するための品質管理基準)の国際規格「ISO22716」を3年前に取得したことです。当時この規格を取得しているのは日本に10社程度しかありませんでした。これにより、お客様に安心、安全な化粧品を届けることができています。
Q. 震災の影響はどうでしたか?
A. 震災による直接的な被害は大きくはありませんでしたが、福島第一原子力発電所の事故の風評で地元の水が1年間使えなくなってしまいました。化粧品を作るには大量の水が必用なので、その時は大阪から水を買っていました。元々売り上げが落ちていたところにこの水の問題、さらには風評被害で、しばらくは苦しい経営状況でした。
しかし2013年ごろから売り上げが伸びはじめ、現在は2012年の2.5倍ほどにまでなっています。これはもちろん営業チームの成果や会社の効率化の結果でもありますが、何より地元のパートのみなさんが震災後も変わらず頑張ってくれたことが大きいと思います。
震災後しばらくは化粧品も放射線の全品検査を行っていましたが、一度も検出されたことはありませんでした。
Q. 最近新たに取り組んでいることは何ですか?
A. 福島工場では他社製品の委託製造も行っていますが、最近は自社製品の開発に力を入れています。年間にすると多い年では150個程度、毎週何かしらの新商品が出ています。
Q. 工場として大切にしていることは何ですか?
A. 「丁寧なものづくり。」お客様が本当に必要なものを、安心して使ってもらうということに気を配っています。製造場所には文房具の小さな部品や、髪の毛、ホコリでさえ絶対に入らないようにしています。
Q. 中学生と共同で開発した商品があると聞きましたが・・・?
A. はい。沖縄県北大東島の中学生と共同で、北大東島に自生する植物「月桃」を使ったUVジェルを開発しました。
北大東島の子どもは高校生になると島を出て行ってしまいます。その後戻ってくる人は少ない。そんな子ども達が北大東島に誇りを持てて、島自体の産業発展につながることが何かできないかと、共同開発を行いました。
Q. 今後の展望は何ですか?
A. 福島工場がここまでやってこられたのは、この地域のおかげだと思っています。だからこそ、今後は地域に何か貢献したいと思っています。
現在滝根町商工会女性部や高校との交流を行っていますが、他にも町の人がもっと気軽に工場見学に来られるようにしたいなと思います。最近では、田村市からの依頼であぶくまの水を使った化粧水も製造しました。そうしたことを通して、地域に愛される企業になりたいと思っています。
大変お忙しい中、対応していただいた稲田工場長、そして現場で働くスタッフの皆さん、ありがとうございました。徹底した品質管理や従業員を大切にしているところに、工場の信念を感じました。これからも、すばらしい「田村市産」の化粧品を作り続けていってほしいと思います。
【編集後記】
えりぃ
「いやぁ~あんなにホコリや菌、品質に関して厳しく検査しているなんて知らなかった。Made in Japanってすごいね~!日本の商品が海外で人気があるのも納得だわ。」
山ちゃん
「『あぶくまの化粧水』みたいに、もっともっと田村市発の化粧品が増えてくれると、田村市民としてとってもうれしいな♪」
えりぃ
「田村の化粧品で田村にきれいな人がまた増えちゃうね!楽しみぃ~♪」
「株式会社 ジャパンビューティプロダクツ 福島工場」会社概要
設立:1971年(1998年 福島工場竣工)
社員数:130名(うち福島工場75名)
事業概要:化粧品、医薬部外品の製造、販売。福島工場はジャパンビューティプロダクツの製造・品質管理等を担っています。
工場見学:可能 要予約 問い合わせ先 tel 0247-78-3883 fax 0247-78-3780
会社ホームページ http://www.jbproducts.co.jp/