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田村を創る人たち #3 「キュウリジャム『都路キュウリマン』で都路町の人を笑顔にしたい」

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田村市都路町 古道小学校6年生「FURU15(フルフィフティーン)」

都路町行政局から徒歩5分の場所に143年の歴史を持つ古道小学校があります。この古道小学校と同町の岩井沢小学校は今年度で閉校し、2校が合併して「都路小学校」という新しい名前になります。震災や原発事故の影響を受け、少子高齢化が深刻化するこの町で、古道小学校の6年生たちが手を挙げて、町おこしに奮闘しています。「キュウリでジャムを作る」という小学生らしい突飛な発想と、地道な努力が実を結び、ついにキュウリジャム『都路キュウリマン』という商品を限定80個で販売することもできました。なぜキュウリをジャムに?どんな思いで作ったの?キュウリジャムの売り上げの使い道は?小学生の想いに迫りました。

写真=田村市復興応援隊 松崎

聞き手=田村市復興応援隊 渡邉・中岡

文=田村市復興応援隊 中岡

Contents

1.キュウリジャム作りを始めたきっかけ

2. キュウリジャム『都路キュウリマン』について教えて!

3.『都路キュウリマン』の販売、イベントへの出店

4.地域への想い

 

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取材の様子

1.キュウリジャム作りを始めたきっかけ

今日は皆さんのキュウリジャムの取り組みについてお話を聞きに来ました。よろしくお願いします!キュウリジャム作りを始めたきっかけを教えてください!

【6年生】「取り組みのきっかけは学校の畑で野菜作りを始めたことです」

「色んな野菜を作りました」「キュウリ、枝豆、サツマイモ、カボチャ、トウモロコシ、あとなんだっけ?」

【関根先生】「みんなが嫌いなナスも作ったでしょ」

【6年生(以下省略)】「そうだ!ナスも作ったね」

ーナス嫌いな人?

「はーい!」(半数が手を挙げる)

ー自分が作ったナスはどうだった?

「食べられた!」

ーやっぱり自分で育てたものは愛着が違いますもんね。そこからどうしてキュウリジャムに?

「『福島発のキュウリビズ 愛情込めてキュウリ栽培大作戦』という取り組みがありました。その大作戦のために自分たちで育てたキュウリを使ってレシピを考えたことがきっかけです」

ー「『福島発のキュウリビズ 愛情込めてキュウリ栽培大作戦』は、キュウリで体を冷やそうとかそういうものですか?

「そうです」「その大作戦でレシピを発表することになって」

「私たちはキュウリのスイーツを考えました」「そこで作ったのがキュウリジャムです」

「ほかにも色々と作ってみたけど、キュウリジャムが一番おいしかった」

「大作戦では特別賞をもらいました」

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「そのうちに、キュウリジャムを通して『地域の人を笑顔にしたい』という目標ができて」

「キュウリジャムを商品化して、都路の特産品にできればいいなと考えて、『都路キュウリマン』を開発しました」

 

2.キュウリジャム『都路キュウリマン』について教えて!

「『都路キュウリマン』は、都路の人が笑顔になるようにと私たち6年生が開発したキュウリジャムの商品です。」

「キュウリを砂糖と煮詰めて作りました」

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ー具体的な材料は何ですか?

「すりおろしキュウリ、みじん切りキュウリ、角切りキュウリ」「砂糖」「レモン汁」「すりおろしりんごも入っています」

ーどんな味ですか?

「甘いです」「でもさっぱりしてます」

ー食感は?

「(角切りにしたキュウリが)しゃきしゃきしてます」「とろみがあります」

ーこだわりはありますか?

「添加物を使っていないところです」

「すりおろしりんごを入れることでとろみをつけました」

「食感をよくするために角切りキュウリを入れたところもこだわりです」

「野菜の感じをなくさないようにしました」「ちゃんとキュウリの味がするように」

「色を綺麗に見せる工夫もしました。ジャムの色を鮮やかに保つために、銅鍋で作ったり、銅線を一緒に入れて煮詰める方法があるということをプロの人に聞いて、その方法で作りました。」

「ラベルもだよね」「みんなでラベルのデザインの案を出してあれこれ話し合って決めました」「絵を書くのが上手なクラスの『画伯』がそれをもとに仕上げました」

「商品名もこだわりあるよね」

「ただの『キュウリジャム』じゃつまらない、都路を入れたほうがいいと言われて」

「『都路キュウリマン』という名前にしました」「キュウリマンはキュウリジャムのキャラクターです」

ー総合の時間にキュウリジャムの試作を重ねたと聞きました。何回くらい試作したのですか?

「え~!」

「何回だろう」「数えきれないほどやったよね」

「10~15回くらいやりました」

「去年もたくさん作ったけど、今年もイベントのためにたくさん作ったね」

ー15回も!たくさん試行錯誤したのですね。はじめにキュウリジャムを作ったとき、どんなかんじでしたか?

「最初は・・・ジャムっぽくなかった」「漬け物みたいだった」「色が濁ってた」「とろっとしてなかった」

ー匂いは?

「甘い匂いがした」「少し青臭かった」

ー試作を重ねた今のキュウリジャム、おいしくなりましたか?

「おいしくなった!!」(全員一致)

ー大変だったことは何ですか?

「味を調節するのが大変だった」

「プロの人からたくさん指摘を受けて悔しかった。次頑張ろうと思いました」

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3.地元のお祭り「灯まつり」への出店、『都路キュウリマン』の販売

6年生の皆さんは都路町のイベント「灯まつり(2016年8月)」に出店し、キュウリジャムのPR活動をしました。クレープ、かき氷、ヨーグルト、パンの4種類でキュウリジャムを楽しめるメニューを展開しました。地域の出店者に協力していただき、提供することができたようです。ステージでは、キュウリマンの着ぐるみを着て※「キュウリ音頭」を披露。多くの人にキュウリジャムの味と6年生の想いを知ってもらう機会になりました。

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2016年10月には都路町文化祭にて80個限定でキュウリジャム『都路キュウリマン』を販売。6年生たちは加工品の製造許可を持っていないため、滝根町で農業・加工・販売を行っている「福福堂」の稲福由梨さんに加工を委託して販売したそうです。

ー販売したときはどうでしたか?

「80個販売しましたが、人がたくさん来てすぐに完売して、とても嬉しかったです」

※「キュウリ音頭」とは・・・古道小学校6年生の皆さんと担任の関根先生がキュウリジャムをPRするために作詞・作曲・振り付けしたもの。

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4.地域への想い

ーキュウリジャムは地域への想いが詰まっていると聞きました。どんな想いですか?

「キュウリジャムで活気と笑顔あふれる明るい町にすることが私たちの想いと目標です」

ーみんなの想いは都路を活気づけたいというものなんですね。それぞれの想いも聞いて良いですか?

「東日本大震災で一度避難して、人が減ってしまって、地域が盛り下がってしまった。都路を盛り上げたいという想いで活動しました」

「キュウリジャムで町を盛り上げて観光に来る人を増やしたい」

「都路に住んでるお年寄りにも元気になってもらいたい」

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―キュウリジャム作りをやってよかったと思うことや楽しかったと思うことはありますか?それは何ですか?

「活動するなかで地域の色んな人に助けられました。人とのつながりの大切さを実感しました」「地域の人のやさしさを実感しました」

「料理の楽しさを知った」

「食べてくれた人が笑顔になってくれたのがすごく嬉しかった」

「灯まつりで販売したときに、たくさんの人が買ってくれたのが嬉しかった」

「学習発表会で、試食をやったときに、学校のみんながわーっと詰め寄ってきてくれたのがすごく嬉しかった」

「最初から最後までやり遂げる大変さを知りました」

ーキュウリジャムを今後どうしていきたいですか?

「私たちは卒業してしまうので、下級生に私たちの想いをつないでほしい」

「自分たちの活動が短かったので、下級生にはもっと多くの人にキュウリジャムを広めてほしい」

「キュウリジャムをどこかで販売してほしい」

「都路だけでなく、全国に広げてほしい」

「明るい笑顔のある町にしてほしい」

ー売上を寄付すると聞きました。どこに寄付されるんですか?

「私たち自身が東日本大震災で辛い思いをしたので、熊本地震で辛い思いをした小学生に寄付することにしました」

「どこの学校にするかも決めました。益城町の小学校です」

「なぜなら、校庭に仮設を置いて、そこで勉強していて大変だから」

「インターネットで調べて、一番大変だと思ったその学校にしました」

「自分たちも同じ経験をして気持ちがわかるので。あのときは辛かったです。熊本の人も今はつらいと思うけど、次の目標にむかって頑張ってほしいという想いで寄付をします。」

ー中学生になったら、どんなことをしてみたいと思いますか?

「勉強を頑張りたい」「部活を頑張りたい」「新しいことにチャレンジしたい」

 

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ー皆さん、貴重なお話をありがとうございました。最初から最後までやり遂げるというのはとても大変なことで、すごいことだと思います。やり遂げたことを胸に刻んで、誇りを持って、前に進んでいってください。今日は本当にありがとうございました。

 

5年生の頃から子どもたちとキュウリジャムの取り組みをはじめ、常に子どもたちの背中を押し、共に活動に励んできた担任の関根先生に、想いを伺いました。

 

今の6年生は、入学直前に東日本大震災を経験しています。同じ市内の船引町の旧石森小学校に避難し、4年生になったときに都路に戻ってきました。

まだ小さいときに都路を離れたこともあり、戻ってきたばかりの頃は地域のことが全然わかりませんでした。だからこそ、キュウリジャムの取り組みを通して地域の人とつながることを学習してほしかったのです。去年からこの取り組みを始めましたが、この1年間は「笑顔と活気があふれる町になるように」という想いで頑張ってきました。この取り組みを通して「自分の力で地域のために何か行動することができるんだ」ということを実感してもらえたと思います。地域が大好きになり、地域に誇りを持ち、地域を宝物として大切にしたいという想いを持つことにつながったのではないかと思います。活動したことが広がり、地域と子どもたちの相乗効果で、地域がどんどん元気になっていくといいなと思います。

 

スタッフ後日談

【中岡】いや~みんなが頑張ってる様子を陰ながら見ていたので、改めて話しを聞いて感動しましたね!小学生、よくやった!

古道小が母校のセンパイ、どうでした?

【松崎※古道小学校卒業生】いやちょっと・・・。うるっときちゃいました。

【渡邉】私の時代は頬っぺた赤くして走り回るような子どもだったよ~!それに比べると本当に偉い・・・。

【中岡】こうして小学生が活躍することで、ここの小学校に行きたい!と思ってくれる人が増えるといいですね。

【松崎】ほんとにそうですね。

 

 

 

 

 


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■おしらせ

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